汁椀
2016年9月18日 日曜日
秋の訪れを感じるといつも必ず食べたくなるのがけんちん汁。
今朝はけんちん汁と新サンマの塩焼き。秋の定番の献立。
汁椀はほぼ毎日使うもの。
そして長くずっと使い続けるもの。
私なりにいろんな意味で納得がいくものを探していました。
先日ある展示会で出会ったのが、石川県山中漆器の石川漆宝堂のこの汁椀。
水目桜の木地は表裏無数に「ハツリ」がほどこされていて、
表面はこっくりとした艶やかな漆で仕上げられていました。
そのお椀を手に取って手に馴染む温もりを確かめている私に、
社長さんであり塗り師でもある石川さんがお話をしてくださいました。
「ハツリ」とはノミやカンナの削り跡を生かす技術で
山中でも2人しかいないという匠の木地師がほどこしたものだと。
水目桜に曙塗
水目桜に根来塗
この表面のハツリは汁椀に見た目の味わいを纏わせているだけでなく、
持った時にその微妙な凹凸が手に吸い付くように馴染み、
とても持ちやすいということに感動してしまいました。
漆にとって一番よくないことは乾燥すること。
毎日使って、毎日洗うことが一番のメンテナンス。
つまり普段使いすることが漆器にとって一番です。
日々使い続けることによって漆塗りはよりしっとりと落ち着いた色に
変わっていくのも楽しみです。
今週からこちらの汁椀、ハコニワでご覧いただけます。
ぜひお手に取ってみてくださいね。
石川漆宝堂 弥生汁椀 6000円+税