Archive for 9月, 2016
今週のハコニワ · 2016年9月27日 火曜日
今朝起きて窓を開けたら、そこはかとなく金木犀の香り。
この甘く優しい香りは、私の小学校の頃を思い出させてくれます。
そう、香りから呼び覚まされる風景のほとんどが、
子供の頃の記憶。
夕方道を歩いていてどこかで夕食の支度をしている匂いがしてくると、
たちまち夕暮れ時社宅のアパートのキッチンの小さな窓から、
母が「ごはんですよ~」と外に向かって兄や私を呼ぶ様子が
フラッシュバック。
今でも年老いた父の側に座り整髪剤の匂いにつつまれるだけで
幼い頃に父に添い寝をしてもらって、お髭ジョリジョリを触りながら
眠りについた時を思い出したりします。
愛すべき昭和。1970年代は光りに満ちていたな。
今は金木犀の香りと、庭に干した洗濯物の香りと、
朝の家事を終えて自分のために淹れたコーヒーの香りが
入り混じった中で、
「あ~あ、いつの間にこんなに年をとっちまったんだい?」と
少し感傷的な気分。
コーヒーを飲み終えたら、二つの息子部屋にえいや!と突入し
掃除機でもかけてみるかな。
男くささにまみれて、こんなアンニュイな気分もすぐに吹っ飛ぶに
違いない。
さて、今週のハコニワは水曜から土曜まで営業します。
オテテベーグルは水曜に届きます。
よろしかったら、お出かけくださいませ。
ドット皿/市岡泰 フリーカップ、小皿/齊藤隆
フェルトのコースター/HARUCCO
木のカトラリー · 2016年9月24日 土曜日
タイのチーク材を使ったお手頃なカトラリー類が入荷しました。
ハニ―ディップ(はちみつすくい)、バターナイフ、ジャムナイフ、
ピックフォークにマドラー、ケーキサーバー。
どれも形がユーモラスでかわいらしく食卓にあったら楽しい物を選びました。
お箸は滑らず持ちやすい八角箸でウォールナット、メイプル、樫の3種類。
こちらは赤ちゃんや小さなお子様でも持ちやすいベビースプーン。
木のカトラリーは食洗器や乾燥機は使えません。
使い終わったらつけ置きなどせずに、洗ってフキンで拭いて完全に乾かします。
乾きすぎて手触り口触りが悪くなったら、
オリーブ油やクルミ油などで拭いて油分を補いましょう。
欠けてしまったり、ササクレてしまったとしても、サンドペーパーなどで削り、
オイルを塗ってあげれば、また使っていただけるものです。
こんな多少のメンテナンスは必要かもしれませんが、
木の温もりには代えがたい魅力がある気がします。
今週のハコニワ · 2016年9月20日 火曜日
3時の珈琲の時間。
外は少し風も雨あしも強くなってきました。
ここら辺は今夜から明日午前にかけて台風通過ということですが、
水曜から土曜まで予定通りハコニワopenいたします。
ただ、いつも水曜に届くオテテベーグルですが、
今週は木曜に届くことになりましたので、ご了承くださいませ。
急なお知らせで申し訳ございませんが、
よろしくお願いいたします。
ジメジメお天気を吹き飛ばして、よろしかったらハコニワに
お出かけくださいね。
齊藤隆 ドアマグ 2700円+税
※お取扱い作家の古真舎・齊藤さんが、
11月より齊藤隆さんとして活動されることになりました。
これからはハコニワでも齊藤隆さんとしてご紹介していきます。
汁椀 · 2016年9月18日 日曜日
秋の訪れを感じるといつも必ず食べたくなるのがけんちん汁。
今朝はけんちん汁と新サンマの塩焼き。秋の定番の献立。
汁椀はほぼ毎日使うもの。
そして長くずっと使い続けるもの。
私なりにいろんな意味で納得がいくものを探していました。
先日ある展示会で出会ったのが、石川県山中漆器の石川漆宝堂のこの汁椀。
水目桜の木地は表裏無数に「ハツリ」がほどこされていて、
表面はこっくりとした艶やかな漆で仕上げられていました。
そのお椀を手に取って手に馴染む温もりを確かめている私に、
社長さんであり塗り師でもある石川さんがお話をしてくださいました。
「ハツリ」とはノミやカンナの削り跡を生かす技術で
山中でも2人しかいないという匠の木地師がほどこしたものだと。
水目桜に曙塗
水目桜に根来塗
この表面のハツリは汁椀に見た目の味わいを纏わせているだけでなく、
持った時にその微妙な凹凸が手に吸い付くように馴染み、
とても持ちやすいということに感動してしまいました。
漆にとって一番よくないことは乾燥すること。
毎日使って、毎日洗うことが一番のメンテナンス。
つまり普段使いすることが漆器にとって一番です。
日々使い続けることによって漆塗りはよりしっとりと落ち着いた色に
変わっていくのも楽しみです。
今週からこちらの汁椀、ハコニワでご覧いただけます。
ぜひお手に取ってみてくださいね。
石川漆宝堂 弥生汁椀 6000円+税
中秋の名月と輪花リム皿 · 2016年9月15日 木曜日
今日は中秋の名月です。
雨続きだったので、今日はお月様は顔を出さないかな、と
思っていましたが、午後になって少し日が差してきています。
お月様に会えるといいですね。
あんこがただもう大好きな私は、ハロウィンは完全スルーしても
中秋の名月は欠かしたことがありません。
秋のはじまりの夕暮れは、虫の声とともに頬を揺らす風が心地よくて
夜空を見上げてみたくなるものです。
月見団子を盛りつけたのは、青柳憲儀さんの輪花リム皿。
通販でのご注文やご予約が多く、
入荷するたびにすぐに売り切れてしまうので
なかなかゆっくり店頭でご紹介できずにいました。
先日また入荷しましたので、お待ちの方はぜひどうぞお手に取って
ご覧ください。
今回は8寸の黒釉、5寸と4寸は黒釉、粉引、灰釉の3色がございます。
8寸はメインディッシュに、5寸4寸は銘々皿や菓子皿などに。
縁を輪花でかたどって、高台が少し高めなのでテーブルの上で
とても映える器です。
青柳憲儀 輪花リム皿 8寸4800円+税 5寸2000円+税
4寸1500円+税
秋の訪れと、今週のハコニワ · 2016年9月12日 月曜日
やっと暑さが一段落したようです。
昨日は珈琲豆屋さんに豆を買いに行ったら
いつになく大混雑していて驚きました。
コーヒーをしみじみと味わいたいと思い始める秋の到来なのですね。
体育祭の代休で休んでいる次男と、
「今日のお昼はカレー蕎麦の気分だね」と一致して蕎麦屋さんに行ったら、
ほとんどのお客さんがあったかいお蕎麦を注文していたのも、
ほほ~やっぱり秋なのねと思った瞬間。
喉を通るアッツアツのカレー蕎麦が妙に美味しかった。
さて、今週のハコニワ。
いつもどおり水曜から土曜までOpenいたします。
オテテベーグルは水曜に届きます。
ご来店をお待ちしておりますね。
9日、10日はお休みします。 · 2016年9月8日 木曜日
ハコニワは、
9日(木)と10日(金)は都合によりお休みさせていただきます。
また来週、よろしくお願いいたします。
(器 関太一郎 6寸浅鉢 3000円+税)
無花果 · 2016年9月6日 火曜日
去年から庭で無花果の鉢植えを育てています。
今年は3個だけ収穫できました。
大風や台風でいくつか落ちてしまった中で
なんとかしがみついていてくれた頑張り屋の3個。
それに店で買ってきたものを加えて無花果マリネにしました。
無花果はそのまま食べるより、ジャムにすることが常ですが、
うちで収穫できた無花果はその形を少しでも残したかった~。
スライスして、はちみつとレモン汁をふりかけ寝かせるだけのマリネ。
庭でぐんぐん伸びて困っているローズマリーもチョッキン切ってきて
香りづけにしたら、ぐーんといい感じ。
ヨーグルトやバニラアイスにのせたり、トーストにクリームチーズを塗り、
この無花果を重ねてパクリといただきたいと思います。
は~、相変わらず頭の中は食べ物のことが大部分を占めております。
さて、今週のハコニワ。
金曜は買い付けの仕事、土曜は息子の体育祭でお休みさせてください。
7日(水曜)と8日(木曜)のみ2日間の営業となります。
オテテベーグルは水曜に届きますよ。
水曜、木曜、お越しをお待ちしてます!
猫との暮らし · 2016年9月2日 金曜日
9月に入って、子供たちも学校へ行き始め、ハコニワも営業開始。
そしてまた何かと気ぜわしく働く主婦の私。
いつもの暮らしがはじまった。
猫たちだけは、そんな暮らしの起伏や移ろいに我感ぜずのようす。
しかし、淡々と我が道を行くキャラと思われがちな猫たちが、
実はとても感情が豊かで忠実な生き物なのだと私は知っている。
家族より遅れて、私がやっと椅子に座りコーヒーを飲んだり
食事を始めると、
おもむろに麦がやってきて、抱っこをせがむ。
座ったら抱っこしてもらえると思っているらしい。
私の肩に小さな頭を預け、おっぱいの後、ゲップをさせる時の新生児みたいな格好で。
私の首筋に麦のソヨソヨとかぼそい鼻息が当たってくすぐったい。
と同時に、母性という名の物質が私の中にジワ~と満ちてくる。
麻は麻で、私が料理をしている時は、その足元のキッチンマットが定位置。
バタバタ動き、麻の存在を見て見ぬふりしている私を見上げては、
何度も何度も目を合わせるまでニャ~と鳴く。
この渾身の上目遣いを無視できる人は多分いないと思う。
ましてやこの私ときたら、料理の手なんてすぐに止めて麻を撫でまわす。
だから息子のお弁当には猫の毛がもれなく入っているそうな。
息子は息子でそれをクレームではなく嬉しそうに話す。
もちろん夜は二匹とも私の布団で就寝。
一度夫の布団と位置を入れ替えて実験してみたら、麻は混乱してウロウロ、
クンクンしまくった挙句、ちゃんと私の布団を選んだのだった。
麦は実験を心外に思ったのか、その日は布団に寝なかった。
お風呂から出て脱衣所の戸を開けると、戸の外でじっと待ってる麦。
出かける私を不安な顔で見送るのは麻。
ベランダで蝉をゲットして、口元でブルブルする気持ち悪いのを
一目散に見せにくるのは麦。
ソファでうたた昼をしていると私は悪夢で目が覚める。
なぜなら麻が必ずお腹の上に乗ってるから。
私が手を滑らせ皿を割る時、足の小指を壁にぶつけて絶叫するとき、
まず一番に駆けつけてくれるのは麻と麦。
そんな私と猫たち蜜月の日々を、夫も息子達も嫉妬のまなざしで
恨めしそうに見ている。
彼らがどれだけ彼女たちに愛を注ごうとも、
麻と麦は明らかに私とその他の家族に愛情の配分で差をつけている。
私に8割の愛を、残りの2割を3分の1ずつにして彼らに平等にあてがっている風。
私は家族にこれ見よがしに、舞台女優風にのたまう。
「私がどんなに鬼のように振る舞い、悪態をついても、
実はどれほど慈悲深く心根のやさしい人間だかわかるでしょう。
こんなに動物に好かれてることが、それを証明してるのです!」と。
夫はお世辞笑いをし、息子たちは聞こえないふりをしているけれど。
今日も、麦は私が脱ぎ捨てた帽子の上でお昼寝中。
麻は私の手垢の染み込んだ布バッグの上でのんびりくつろいでる。
私の人生に、猫という生き物との暮らしが待っていたなんて、
3年前までは想像だにできなんだ。
神様ありがとう~。
そして生後間もない子猫を草むらに置いてきぼりにした無慈悲なお方に、
複雑だけど一抹の感謝を。
あんたが捨てなきゃ、麻と麦に会えてなかった。