なんちゃって金継ぎ
2012年9月13日 木曜日
急須やティーポットは、使い込んで実にいい味が出てきた頃に
何故か落としたりぶつけたりしてしまう。
それでも、それこそ本当に大切にしている物だから
どこにこんな反射神経の良さが隠れていたのだろう?と
自分でもびっくりするぐらいの素早い身のこなしで、
アーラ、オットットー、ヒョイってなもんで
最小限のダメージで済ませることができています。
今のところ…。
ふたの取ってのつまみだけとれたとか、口のところが少しだけ掛けてしまったとか。
お茶を入れるには問題ない程度の破損なら、私は全く平気で使い続けます。
だって本当に大切で大好きで、良い味が出てきたところなんですから。
そんな話をお客様としていたら、「あら、アタシ、なんちゃって金継ぎならできるわよ」
とおっしゃって、私の傷物の急須の蓋を治して下さることに。
「なんちゃって金継ぎ」とは、本格的な金継ぎとは違って、
漆などは使わず、「パテ直し金継ぎ風」ということらしいです。
器屋としては失格かもしれませんが、本格的な金継ぎまでするほどの
熱意がなかった私は「では、頼みます!」と図々しくお願いして、
晴れて本日「できたわよ-」と持ってきて下さいました。
うわー感動!かっこいいです。
シミ、シワのない乙女の肌とは違って、酸いも甘いも噛み分けた深い人生が刻まれてる感じ。
大人の色気を身にまとって帰ってきてくれたのでした。