金継ぎ

2015年11月16日 月曜日

心から気に入って、大切に使っている器が運悪く欠けたり、割れたり、ヒビが入ったり、

そんなことは日常茶飯事。ちょくちょく起こります。

「あーあ、残念だったけど仕方ない。短い関わりだったけど、十分私を励まし癒し

楽しませてくれたもんね」

と、大抵はあきらめ、やり過ごしてきたのですが、

この春から、お客様からのご要望があれば、漆器や木工の作家さんである

市村富子(ヒサコ)さんへ金継ぎをお取り次ぎさせていただいているので、

私もいくつかお願いしてみました。

そしてお願いしてから約5か月。やっと手元に戻ってきたのです。

このプリミティブな模様と、手に収まる形がとてもお気に入りだった湯呑。

長年使っているうちに、見えなかった模様が浮き出たり、貫入が入ったり、

いい味が出てきたころに縁にいくつかの欠けが目立つようになりました。

この他にも縁が欠けてしまっていた湯呑をいくつか一緒にお願いしました。

結果は、やってよかった!

前よりも、むしろすごくチャーミングになって帰ってきたという感じです。

 

金継ぎは、お値段が決してお安いものではないので、

お客様にお見積もりをしたら驚かれて、「それほど高価な器ではないのであきらめます」

というお返事がきたこともありました。

それでも、その器になにがしかの深い思い入れがあったり、金継ぎをすることで

その器がもっとよいものになると思える時は、

ハコニワでもお取り次ぎいたしますので、ぜひご相談ください。

 

ちなみに、私が直していただいた湯呑にも思い出あり。

長男が幼いころ、育児に疲れると息子を連れて器屋巡りをしていました。

息子には「今日はあなたに好きなトミカを一つ買ってあげるから

ママにも好きな器買わせてね」と言い聞かせて家を出ます。

小さな男の子が器屋で大人しくしているというのは多分至難の業だったと思いますが

なんとか息子なりに私のわがままを受け入れてくれてたのでしょう。

「ママ、素敵なの買えてよかったね!」と精一杯のお世辞も忘れずに、

その後はおもちゃ屋さんへ向かうのでした。

こんな情けない子供のような母を持つ不憫な息子も、

今日17歳の誕生日を迎えました。うーむ、感無量。

 

さて、話変わりまして、今週のハコニワ。

水曜日は都合によりお休みさせていただきます。

オテテベーグルは今週は木金の販売となりますので、ご了承ください。

それでは木金土の3日間、お待ちしております!

 

 

 

 

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